出産

賢く産休・育休手当をもらうために考慮すべきポイント!

産休・育休手当ってどうやったら賢く一番手取りが多くなるのでしょうか?

これから産休を取る方にとっては結構重要なところですが、「こうすれば手取りが多くなりますよ~」という情報はありません。

今回は、私の経験(失敗談)を基に「こうしておけばもっと貰えた!」という事を書いていきます。

産休・育休手当とは?という細かいことよりも、賢く受け取るためにおさえておくポイントに着眼しています。

産休手当と育休手当の算出方法の違い

ややこしいのですが、産休手当と育休手当の算出方法って異なるんです。

簡便的に同じ方法で計算すればいいじゃん!って思いますが、産休手当はご自身が加入している健康保険(※国民健康保険は除く)から支給され、育休手当は雇用保険から給付されるため算出方法が違うようです。
※産休手当について、国民健康保険に加入している場合は支給されません。また、扶養に入っていてご自身で社会保険に加入せず保険料を支払っていない場合も支給されません。

まず、産休手当(※出産手当金)の算出方法はこちらです。(※正式には産休手当は出産手当金といいます。こちらでは産休手当と称します)

産休手当の1日あたりの金額は、「支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額(※)を平均した額÷30日×(2/3)」です。
※標準報酬月額とは、毎月の給与等の報酬を区切りの良い幅で区分された額です。

(補足:ちなみに、2016年4月に算出方法が改正されました。それまでは、4,5,6月の給与を基に標準報酬月額が計算されていました。)

そして、育休手当(※育児休業給付金)の計算方法は次のとおりです。(※正式には育休手当は育児休業給付金といいますが、こちらでは育休手当と称します

休業開始時賃金日額は、「育児休業開始自前6ヶ月(11日以上給与支払いがある月)の賃金総額÷180日」

  • 育休開始~6ヶ月まで:休業開始時賃金日額×支給日数×67%
  • 6ヶ月経過後:休業開始時賃金日額×支給日数×50%

ご覧の通り、産休手当は支給開始日以前の12ヶ月の平均標準報酬月額で算出するのに対して、育休手当は育休開始前6ヶ月(11日以上給与支払いがある月)の平均です。

育休手当は11日以上働くとその月も計算の対象となってしまうため、産休開始日が中旬以降の方は下旬まで有給消化した方が手当として支給される額が多くなります!

また私の場合、妊娠前は残業がかなり多かったので収入も多かったですが、妊娠後はつわり等もあり体調優先で仕事をしていたため収入が減りました。

残業が少なく、毎月一定の額を貰っている方であればそこまで気にする必要はないのかもしれませんが、私のように残業が多く収入に変動のある方は、この算出用法の違いを知っておくと良いかもしれません。

産休・育休手当を計算するうえで考慮すべきポイント

それでは、産休・育休手当を貰ううえで知っておいた方が良いポイントを見ていきましょう。

ポイント①:交通費も産休・育休手当の計算に含まれる

ご存知の方も多いかもしれませんが、交通費も産休・育休手当の計算に含まれます

ただ、この交通費ですが1ヶ月のあいだ一度も出社しないと支給されない場合が多いようです。

もちろん会社の労働規則にもよるのですが、私の勤めている会社は1ヶ月の間で一度でも出社すれば1ヶ月分の交通費が支給されます。

例えば、交通費2万円毎月支給されている場合、この交通費があるのとないのとでは毎月支給される額が変わってきます。

ポイント②:産休・育休中でも有給はたまる

産休・育休中でも有給はたまります

3月決算会社で年10日間の有給休暇を貰えている場合、産休・育休中でも4月1日に10日間付与されます。

もし、有給が余っていて4月に消滅してしまうのであれば、有給を消化してから産休に入ると消滅するのが防げます。このメリットとしては、産休手当は給与の2/3しか支給されないのに対し、有給は全額もらえます。

ポイント③:産休・育休中でもボーナスは出る

産休・育休中でも産休前に入るまでに働いた分の賞与は出ます

例えば、10月に産休を開始し賞与が6月と12月に出る場合、12月の賞与は10月の働いた分までの賞与が12月に支払われます。

また、この時に支払われる賞与には既に産休・育休に入っているため所得税や健康保険料、厚生年金保険料はかかりません。(※所得税や社会保険料についてはポイント④で詳しく説明します)

ポイント④:産休・育休中は所得税や社会保険料がかからない

産休・育休中は※社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)はかかりません
※社会保険料の雇用保険料については給与によるようです。

また、この保険料(健康保険料、厚生年金保険料)の免除については産休開始月から免除されます

また、産休・育休中に給与が支払われておらず、給付金のみ受け取っている場合は所得税はかかりません。

つまり、例えば3月15日から産休を開始した場合、健康保険料や厚生年金保険料の支払いは3月からかかりません。

私はこの制度を最大限に利用しようとした結果、結局社会保険料を支払う羽目になってしまいました。そんな私の失敗談はこちらです↓

【私の失敗談】

私は、産休の取得が15日から可能でしたが、有給もたくさん余っていたので月末まで有給消化しました。そして、会社には下記のとおり産休開始日を申請しました。

産休開始可能日が3/15(金)、有給を3/29(金)まで取得、産休開始日を3/30(土)から申請

土曜から産休開始をしているので、3/30(土)と3/31(日)の2日分の産休手当も入るし、3月から産休開始しているから3月の社会保険料もかからない!無駄に余っていた有給も消化できたのでそれまではお給料満額でるし、産休手当も2日分出るし、社会保険料もかからないしこれで最大限に貰える!!

と思っていました。

が、、、後ほど送られてきた産休手当通知書を見ると、産休手当の支給開始は翌月の1日(月)からになっていました。。

産休開始日を土曜日で申請した際に、会社側から何も言われなかったのでてっきり問題ないのかと思っていましたが違いました。

結局、社会保険料もかかり産休手当2日分も貰えずに損してしまいました。社会保険料は毎月数万円の支払いなのでこの支出は大きかったです。

なので、有給消化してから産休に入ろうと考えている方は、月末最後の平日から産休を開始すると社会保険料がかかりません!

なお住民税についてですが、住民税は前年に働いていた分の支払いになるのでかかりますが、出産手当金(産休手当)や育児休業給付金(育休手当)に対しては住民税はかからないようです。

年末調整の配偶者特別控除についても考慮すべき

産前休業中に有給消化しようと考えている方は、年末調整の配偶者特別控除も視野に入れて考えた方が良いかもしれません。

配偶者特別控除ですが、2018年1月より対象範囲が広がり、給与収入が201万円以下までが控除の対象となりました。

詳しくはこちらの記事に書いていますので、ご覧ください。

育休中の方は特に要注意。年末調整の配偶者特別控除の申告を忘れずに!!2018年1月から「配偶者控除」および「配偶者特別控除」の取り扱いが変更されたのってご存知ですか? この税改正により、特に「配偶者...

まとめ

この記事をまとめると

  • 産休手当と育休手当の算出方法は異なるは12ヶ月の標準報酬月額を基に算出されるのに対し、育休手当は6ヶ月(11日以上給与支払いがある月)の給与の平均で計算される
  • 育休手当は11日以上出勤するとその月も育休手当の算出対象としてみなされてしまうため、気をつける
  • 交通費も産休・育休手当の計算に含まれるため、1日は出社する(会社の労働規則による)
  • 産休・育休中でも有給はたまるため、消滅してしまう有給は消化する
  • 産休・育休中でもそれまで働いた分のボーナスは出るため、有給を消化した方がボーナスも多くもらえる
  • 産休開始月から社会保険料がかからないため、産休開始は月末の最後の平日からにする

です。

残業などで収入に変動がある方や、毎月一定の額の給料だったりと人それぞれなので、こうすべき!と一概には言えませんが、ご自身に損のないように産休開始時期をご検討ください。