オーストラリアの年金制度「Superannuation」についてご存知でしょうか?
日本と違い、従業員が一部負担する必要はなく雇用主が給料とは別に年金(Superannuation)を積み立てていきます。
もちろん、ワーホリや留学で渡豪して働く場合も、Superannuation(略してスーパー)は支払われます。
今回は、貰わないと絶対損!!そんなオーストラリアの年金制度について書きます。
これからオーストラリアにワーホリや留学で行く方や働きに行く方の参考になれば嬉しいです。
目次
ここが日本と違う。オーストラリアの年金制度(Superannuation)
オーストラリアの年金制度はいたってシンプル。
会社が年収の9.5%を年金として積み立てていきます。
※2021年から10%に上がる予定のようです。
日本の場合、厚生年金の負担は会社と折半のため会社も積み立てる一方で、毎月の給料からも天引きされ(差し引かれ)ます。しかし、オーストラリアの場合は、給料から天引きはされず年金として給料の9.5%分が年金団体に積み立てられます。
この時に、会社側は直接年金団体に振込みます。オーストラリアの場合、年金団体(ファンド)は自身で選ぶことができます。日本の場合は、厚生年金として会社が積み立てるため年金運用会社を選ぶことはありませんが、オーストラリアでは個人でファンドに加入し会社に積み立ててもらいます。
よって、会社側に自身が加入しているファンドを予め伝えておく必要があります。フルタイム(正規雇用等)でもパートタイム(バイト含む)でも違法(※)していない所で働けば、必ずこの年金も一緒に支払われます。なお、1ヶ月の給料が$450以下の場合は、雇用主は年金を支払う義務はありません。
※稀に手取りで給料を渡していて政府にきちんと申告していないレストラン等もあります。その場合は、年金は支払われません。
オーストラリアでは、働き始める前に個人が加入しているファンドのアカウント情報やその他の個人情報などを伝える必要がある(厳密には用紙に記入する)ので、働き始める前にアカウントを開設しておくことが必要になります。
前段階として日本との違いに触れたところで、次に概要について見ていきましょう。
オーストラリアの年金制度 概要
オーストラリアの年金制度には2種類あり、ひとつは先程お話しした「Superannuation」ともう一つは「Age Pension」になります。
どのような制度なのでしょうか?
Superannuation(退職年金)
日本でいう「厚生年金」のようなものです。スーパーアニュエーション(略してスーパー)と言います。
年齢が18歳~70歳で1ヶ月の給料(税引前)が$450を超える場合、雇用主は給料とは別に年金を9.5%(※)積み立てる必要があります。
※2021年から10%に上がる予定です。また、年々上がっていき2025年には12%になるようです。
最低限、年金として会社が支払わなければいけない義務は9.5%ですが、この他に個人で積み立てることも出来ますし、雇用主が給料から天引きして積み立てることも出来ます。
また、どのように積立てるかによっても税金が変わってきます。奥が深いので、お金に余裕のある方などは税理士等の専門家に依頼してタックススキームとして取り入れていたりもします。
Age Pension(老齢年金)
日本でいう「国民年金」のようなものです。エイジペンション(略してペンション)と言います。
66歳以上になると貰えるのですが、日本と違って個人が年金を負担するということはなく、税金で賄われています。
支給されるためには、少なくとも10年以上オーストラリア居住者(オーストラリア人や永住権所有者等のことを示す)である等の条件があります。
オーストラリアの年金団体(ファンド)をピックアップ
オーストラリアの年金(Superannuation。略してスーパー)を運用してくれるファンドはたくさんあります。
下記はほんの一例ですが、スーパーの加入に悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
- Sunsuper
- Australian Super
- Suncorp
- HESTA
- OnePath
加入するファンドを決めたら次にどういった運用方法にするかも選択できるファンドもあります。もちろん、上記以外にも現地に行くと様々な情報が入ってくると思うので、ご自身にあったファンドを選ぶと良いと思います。
因みに、私は「Sunsuper」に加入していました。というか、しています。日本に帰国してからまだスーパーを引き出さず退会していないため、手数料は支払っている状況です。
出来るだけ手数料を安くしたい!!という方は、オーストラリアのSuperannuation比較サイト等を参考にすると良いかもしれません。
Superannuationを引き出すには?
ワーホリや留学等で一時的にオーストラリアに滞在していて、スーパーを引き出したい場合はどうするのでしょうか?
年金なので、基本的には一定の年齢まで引き出すことはできません。
しかし、以下の条件を満たす場合は年金を引き出すことが可能です。
・サブクラス405もしくは401以外の労働可能なTemporary Visaを保持して働いていた人
・上記のビザが有効期限切れやキャンセルなどによりすでに失効している。
・すでにオーストラリアを出国した。
・オーストラリアまたはニュージーランドの国籍もしくはオーストラリアの永住権保持者ではない
出典:オーストラリア留学センター|スーパーアニュエーションって何?
詳細については、オーストラリア政府のサイトに記載されていますのでこちらをご覧ください。
Departing Australia superannuation payment (DASP)
年金団体(ファンド)に加入せずに働くとどうなる?
もし、ファンドに加入せずに働いた場合、どうなるのでしょうか?
ここでは私の経験を基にお話しします。
かれこれ十数年以上前の話になりますが、
私が働いていたとあるジャパレス(日本食屋)では、「スーパーのアカウントを持っていれば教えてください。なければ我々が契約しているファンドに積み立てます。」と言われました。
確かこんな感じで言われました。もしかしたらちょっと違ったかも。。
当時はオーストラリアの年金のことなんて何も知らなかったので、スーパーに加入しませんでした。
それから数年後・・・
レストランで働いていた時のスーパーのことが気になり調べたところ、積み立てられていた年金を取り戻すことができました!
どうやら、積み立てが途絶えたスーパーはオーストラリア税務署にて「lost/unclaimed super」として管理されているようです。
ただ、取り戻すためにオーストラリア税務署(Australian Govenment ATO)とのやり取りが面倒だった記憶があるので、これから働く方は自身のアカウントを開設しておくことをお勧めします!
おわりに
日本と違って、色々手続きしなくちゃでややこしい!!なんて思うかもしれませんが、オーストラリアの方が考え方はシンプルです。
会社から積み立てられるスーパーを自身が加入しているファンドに運用してもらうだけです。
また、自分のアカウントなので、年金の残高や増減などいつでも確認できます。もちろん、運用してもらっているので運用益が出ればプラスになりますし、逆に損が出ればマイナスになります。
この記事が、ご自身にあったファンドを選ぶきっかけになったり、少しでもお役に立てたら嬉しいです。